既存のオンライン・ショッピングだけでなく、新しい「クラウド」事業でも存在感の増しているアマゾンがエンジニアの募集をしています。
私は、今年2月に行われた「第0回 AWS User Group勉強会」でこの話を知って興味を持ち、3月に英文履歴書を提出して、4月初めに面接に呼ばれました。応募したポジションは、「デベロッパーサポートエンジニア(AWS)」と「ITサポートテクニシャン」の2つのポジションです。
この2つのポジションでそれぞれ面接が行われ、計5人のアマゾン社員の方のインタビューを受ける機会がありました。結果的には、「デベロッパーサポートエンジニア(AWS)」の方は1次面接で、「ITサポートテクニシャン」の方は2時面接の後に不採用の連絡をいただくことになったのですが、この応募プロセスを通して色々と気づくことがあり、たいへん勉強になりました。これから、その「気づき」とそう考えるに至った面接中の出来事に関してレポートしたいと思います。
周りにラブホテルと倉庫しか見えない殺風景な市川塩浜駅を降りて少し歩くと、巨大なアマゾン市川配送センターが現れる。ここで面接は行われた。
さて、具体的に何があったのかですが、以下のようなことがありました。
- 面接のために指定されたアポイント時間にアマゾンを訪れると、インタビュアーが忙しいとのことで、面接は一方的にキャンセルされた。
- 複数のインタビュアーからほぼ同じ内容の使い回しの質問を何度も受けた。特に何度もDNSとDHCPに関する同じ質問を受けた。どうやらインタビュー用の質問マニュアルを使いまわしているようだった。
- 面接の前に、NDA(秘密保持契約)らしきものにサインを求められるも、その契約文章がまったく日本語として読めず意味を成さないヒドイものだった。米国本社で使っている英文を機械翻訳にかけただけのものを、事前に読まずにそのまま応募者に配布していた。(渡した担当者に意味を聞いてみても、担当者自身が読めなかった。)
要するに応募者に対する扱いが非常にザツだった訳です。
もしかするとこれを読んで、不採用の腹いせに悪口を書いていると感じらる方がいるかもしれません。しかし、私の本意はそうではありません。私が言いたいのは例え些細なことであっても、上記3つの出来事すべてにアマゾンの強さの本質が現れているということです。
アマゾンの強さの本質は、徹底的なコスト削減の意志が企業文化(カルチャー)として深く根付いていることです。それは採用活動の細部にまでです。つまりインタビュアーが応募者に合わせて仕事を止めるのはムダだし、個別に質問を考えるのも勿論ムダ、NDAの内容を事前に弁護士のレビューに掛けることもムダだと彼らは考えているのです。
もちろん、このような考え方は普通の企業ではしません。でも、それでイイのです。仕事に対して普通の企業とは違う考え方を持ち、違うやり方を実践しているからこそ、結果が違ってきている訳ですから。
そして当然、このようなコスト削減への意志は、私の些細な採用活動に関するミクロな話にとどまりません。クリス・アンダーソン「ロングテール」は、アマゾンが以下の段階を踏んで成功していったと記述しています。
- 第一段階: 大規模な倉庫で在庫の集中管理をしてコストを削減した。
- 第二段階: マーケットプレイスで外部のサプライヤーに在庫の保管コストを負担させ、さらなるコストの削減に成功した。
- 第三段階: 電子書籍で在庫そのものを無くして、さらにコストを削減した。
コスト削減に成功するごとに、アマゾンは飛躍していきました。
もちろんこのような大規模なコスト削減は、アマゾンCEOであるジェフ・ベゾスの卓越した戦略のおかげです。しかし、戦略だけで組織が上手くまわる訳ではありません。戦略があっても、それを全従業員まで浸透する企業文化(カルチャー)にまで落していかないと上手くまわらないのです。カルチャーこそ大事です。
アマゾンはリクルートのページで「Frugality 倹約」をアマゾンのコア・バリューとして掲げています。
今回の個人的な経験によって、上記の企業文化の深い浸透度合いをよく確認できました。





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