Developers Summit 2010(通称:デブサミ 2010)を二日に渡って見に行くことが出来ました。どのセッションも興味深くて大変な満足感を味わうことができました。
以下、1日目に行ったセッションすべての感想です。(敬称略)
1、クラウドがもたらすパラダイムシフトとデベロッパーへのインパクト 栗原潔
「所有から利用へ」「サーバ中心コンピューティング」「データセンタ集約」「選択と集中」のメガトレンドは以前より着々と進行しており、「クラウド」という言葉もメガトレンドの表れ。たとえ「クラウド」という言葉が廃れても、メガトレンド自体は変わらないとのこと。このメガトレンドの中で、既存のSI会社は厳しくなり、「ノマド」ワーカーが創意工夫で活躍する時代になるらしいです。
途中、世界各国の年齢別人口比グラフが紹介されたのですが、少子化である日本の若年層が減っているのに対して、インドではすごい勢いで若年層が増加しており衝撃的でした。これから厳しくなる日本の環境の中で生き残っていくには、個人としての「選択と集中」が重要になってくるという締めでした。
講演資料:クラウドがもたらすパラダイムシフト
参考書籍:
2、“クラウド”をビジネスにしませんか? 〜 Force.comのテクノロジーとビジネスモデル 〜 岡本充洋(Salesforce)
Salesforceのセッション。「Salesforceを使えば開発の生産性が5倍上がる」という調査会社のレポートが紹介されました。WebでDBが即座に設定できるなどのデモを交えながら、コーディング過程のみではなく、開発のライフサイクル全体で生産性が5倍上がるとの説明でした。
またユーザーと開発者が同じ方法でログインするなど、Salesforce独自のアーキテクチャが強調されていて興味深かったです。試用できるようなので、早めに時間をとって評価してみたいと感じました。
講演資料:“クラウド”をビジネスにしませんか?
3、Google的分散コンピューティング Gregor Hohpe(Google)
最初は、GFS、BigTable、MapReduce、Sawzallの概説から始まりました。ここらへんの話は「Googleを支える技術」を読んで既に知っている話だなと聞いていたのですが、概説が終わったあとは、Google的な設計原則に関する興味深い話に入っていきました。
特に面白かったのは、ステートレスな処理とステートフルな処理を分離して設計するという原則。ステートレスな処理は分散が容易だが、ステートフルな処理の分散は難しい。ステートレスな処理だけでシステムの目的が達成できれば良いのだが、大抵そう上手くは行かない。どうしてもステートフルな処理も必要になってくる。そうした場合には、ステートレスな処理を行う場所とステートフルな処理を行う場所を混在させるのではなく、2種類の処理を分離してまとめる設計にしよう、という話でした。
4、ドッグフーディングとアジャイル開発 大澤俊介(Atlassian)
自社内でのベータ版の試用のことを「ドッグフーディング」と言うらしいです。初めて知りました。アトラシアン社内でのイテレーションのまわし方などが紹介されていました。
講演資料:Dogfooding and Agile Development
5、MVP & .NET Community Member`s Lightning Talks 猪股健太郎、小野修司、福岡寿和、亀川和史、瀬尾佳隆、冨田順、こだかかおる
マイクロソフト系コミュニティのライトニングトークス。どの話も面白かったです。アプリ内にSQLを書いてDBにから直接データを取得するのでは無く、間にWebサービスを設けてみると良いという話と、Visual Studioでテストデータが簡単に作れるという話が、私にとっては実践的で印象に残っています。
講演資料:
MVP & .NET Community Members Lightning Talks
WCF RIA Servicesって
Visual Studioでテストデータを作ろう
Windows Azureで Webサーバーを再発明してみる
Windows 7のトラブルに立ち向かう~Troubleshooting Packご紹介
6、RDB入門~アプリケーション開発者が陥りやすいDB開発の落とし穴~ 磯辺信雄(iAnywhere)
実際に起こった問題をもとにRDBの技術を解説していくというスタイルで、非常に実践的な内容でした。「トランザクション分離レベル」「効率の良いSQLの書き方」「Viewの使い方」「ボトルネックになりやすいディスクI/O」などが解説されました。
講演資料:RDB入門 ~アプリケーション開発者が陥りやすいDB開発の落とし穴~
7、パネルディスカッション 『徹底入門』の著者による仮想化エンジニアの未来 平初(Red Hat)、各務茂雄(VMware)
担当編集者の司会のもと、Xen、WMwareと、2つの仮想化技術入門書の著者によるパネルディスカッションでした。平氏がQEMUの仮想ハードウェア構成からXEN、KVMと順次解説されて、「もっとハードウェアのことを知ろう!」と言われたことが印象に残っています。議論の終盤は、個別の技術から離れて未来のエンジニア像の話になり、「(グローバル化で)日本人というだけで付加価値があった時代は終わりつある」「英語、そしてなによりも日本語での表現能力がますます重要になってくる」と大変刺激を受ける内容でした。
セッション終了後には、直前にニフティがWMwareを使ってクラウドサービスを開始のニュースを読んでいたので、気になって質問しに行きました。記事の中で、「VMwareのコストは支配的ではありません。むしろ苦しいのは、ストレージのコストですね。」とあります。これはディスク容量が苦しいのではなくて、ディスクI/Oがボトルネックになっているとのこと。IOPS(Input/Output Operations Per Second)が問題となっているので複数台を接続する必要がありコストが掛かる、という理屈がスッキリ理解できました。
参考書籍:
2日目の感想に続きます。

